路線上のトンネル区間に中継装置を設置し、列車防護無線システムと組み合わせて運用します。
無線電波が届かないトンネル内の車両へ防護通報
トンネル付近で異常事態が発生した場合、防護発報を行ってもトンネル内を走行する後続車両が受信せず緊急停止が間に合わないなどのリスクが考えられます。
列車防護無線中継システムの仕組み
→ 防護発報した車両の電波を、坑口に設置した受信専用のアンテナで受信
→ 同軸ケーブルを経由してトンネル内部の中継装置で防護信号を検出・中継
→ LCXケーブルを経由して再防護発報送信を行い、トンネル内車両に通報します。
「受信ブースタ」は現地調査(下記参照)に基づき、必要に応じてご相談の上で設置します。
※「監視制御装置」の導入は各鉄道会社様の任意です。
電界強度測定など現地調査を実施
LCXケーブルは既設の列車無線用ケーブルを兼用して運用するため、事前に弊社にてケーブルの有無や状態等を調査します。
※資料で事前にLCX情報、電界強度が確認出来る場合は作業省略させて頂きます。
弊社にてトンネル区間全域の電界強度測定を行い、報告書を提出します。測定の結果、長いトンネルにおいて電界強度が弱い(受信入力電圧が低い)箇所が見られた場合は、受信ブースタやブースタアンプの設置をご提案します。
※トンネル内の電界強度測定は、弊社スタッフがトンネル内を歩行しながら受信電解強度を記録します。
各機器の概要と主な機能
①防護無線中継装置
列車から送信した防護発報信号を受信して、中継スロットより再防護発報をするための装置です。
主要な無線部・電源部は二重化(冗長化)仕様で、故障時は外部より監視制御可能な機能を有しています。
・電源投入時セルフチェック機能
・1号/2号切替
・ログデータ保存
・バッテリー実装、8時間
温度:−10℃〜+50℃
湿度:周辺温度35℃において85%以下(結露しないこと)
■使用定格:24時間連続
■筐体:耐震遮熱屋外用スリムラック
■外形寸法(外箱):H1500mm×W360mm×D350mm(取付金具・突起部除く)
■重量:約130kg以下
■送信出力:要相談
■周波数:防護無線の周波数
※新スプリアス規格対応
②監視制御装置
各中継局装置、受信ブースタ、ブースタアンプの遠隔制御を行うための装置です。
防護中継装置に対しては、送信故障などの監視と1号機・2 号機切替などの制御を行うことができます。
受信ブースタ、ブースタアンプに対しては、故障アラームの監視を行うことができます。
・監視状態表示機能
・防護中継装置ほか制御機能
・アラーム表示、ブザー機能
・外部向け電源断接点出力
③受信ブースタ
防護中継アンテナから受信した信号を増幅させる装置です。主に長いトンネルにおいて受信電界強度が基準値より弱い箇所が確認された場合に設置を推奨しています。
・過電流検知
・バッテリー運用
④ブースタアンプ
防護中継アンテナから受信した信号、またアンテナ向けに送信する信号を増幅させる双方向のアンプです。受信だけでなく送信が必要なケースにおいて設置を推奨しています。
・過電流検知
・アラーム発生時にアンプ回路を通過させるバイパス機能
・バッテリー運用